優しい鎖3


学校のすぐ近くにある卓実のマンションにやって来た朝輝は、母に連絡をしていた。
「…うん、わかってる。ごめんね、じゃあ」
電話を切り、携帯を閉じると、見計らった様に卓実がやって来た。
「電話…終わった?」
そう問い掛けられ、朝輝は頷く。
すると、卓実は待ちきれないとばかりに朝輝に熱い瞳を向けて来た。
「…っ」
ゾクリとするその視線に、朝輝は思わず視線を逸らしてしまう。
しかし卓実は朝輝を逃がしはしなかった。
素早く朝輝の顎を捕らえると、噛み付く様な口付けをして来たのだ。
「ぅんっ…ぁっ…」
僅かな抵抗を力で捩伏せ、卓実は朝輝んそのままソファーへ押し倒した。
「ここじゃ…ゃだっ」
呼吸をやや乱しながら、朝輝は卓実に訴える。
卓実は前髪を掻きあげながら溜め息を付くと、軽々と朝輝を持ち上げた。
こういう時、朝輝は卓実との体格差を思い知らされた。
165をやっと越えた朝輝とちがって180を楽に越えている卓実は、武術でも習っていたのかそれとも喧嘩で慣らしたせいなのか、身体もがっちりとしている。
きっと、もし本気で抵抗しても、卓実には何でもない事なのだろうと朝輝がぼんやり考えているうちに、寝室のベッドの上に下ろされ、組み敷かれていた。
卓実の顔が目の前にある。
「もう…待たないからな」
「…うん。わかってる」
卓実の片手が、朝輝のネクタイをとき、ワイシャツのボタンを外しにかかる。
すぐに露わになった朝輝の肌に卓実が口付けをした。
それが胸の突起物へのものになった時、朝輝の身体に電流が走り、思わず声が漏れた。
その間に、スラックスと共に下着も脱がされ、朝輝はワイシャツを羽織っただけの姿になっていた。
「はぁ…あっ…ゃああっ」
自身を軽く扱かれ、朝輝の身体が弓の様に撓った。
朝輝自身は、軽く扱かれただけで見る見る反応を示した。
「んっ…はぁ…んんっ」
胸の突起に舌を絡められ、自身を扱かれる刺激に朝輝は絶えず甘い声を出す。
それだけではない。朝輝の身体はより強い刺激を求め、腰を淫らに動かしている。
「卓実…もっと…おねがっ…欲しぃ」
途切れ、途切れに朝輝は刺激を求め訴えた。
それを聴いて、卓実は胸の突起を含んでいた唇を下へと移動させて行く。
そして、唇はある場所へ到達した。
「はっ…ああぁっ」
卓実の口に含まれ、朝輝の神経が自身に集中して行く。
湿った音をたて、自身に舌を絡められ、扱かれる快感に朝輝はすぐに耐える事が出来なくなってしまった。
「卓実っ…もう…あっ…あぁっ」
欲望を吐き出した朝輝は、そのままベッドへと沈み込んだ。
一方、朝輝の迸りを一滴残らず飲み干した卓実は、身に付けていたものを脱ぎ捨てた。
そして、卓実は朝輝の膝を腹部に付く程に折り曲げ、朝輝の秘部を自らの眼下に晒した。
「…っ」
朝輝は恥ずかしさに顔を背けた。
一年間、何度同じ事をされても朝輝の恥ずかしさは消えない。
しかし、朝輝は嫌だとは言わなかった。
「あっ…あーっんっ…っ」
舌の侵入に身体が強張る。唾液を送り込まれ、ほぐれてきた秘部に、今度は指が侵入して来る。
何度も行き来したそこを知り尽くしている指は、すぐに朝輝の良い処を突く。
「ひっゃああっ…んっ…あーっ」
身体をのけ反らせ、甘い声を上げる朝輝の姿に卓実の口許が綻ぶ。
強い快楽の中でも我を保とうとする朝輝は本当に美しい。
だから、もっと…、
「乱したい」
卓実はそう言いながら、指の数を増やした。
強くなった圧迫感に、朝輝の顔が歪む。
しかし、行き来して行くうちに、秘部は指を受け入れ、さらにおくに誘い込む様に指に絡み付いて来た。
卓実は、そうなった事を確認すると、指を抜き、自分の熱く猛ったものを秘部にあてる。
「朝輝…愛してる」
「卓実…」
口付けと共に自身を朝輝の中へと挿入した卓実は、もう我慢出来ないと言わんばかりに、律動を開始した。
「はぁ…あっ…あっ」
すぐそばから聞こえる朝輝の息遣いに、卓実の自制心が崩れそうになる。
(酷くしてしまう…)
そんな不安と戦いながら、卓実は朝輝と共に高みへと向かって行く。
「卓…実ぃ…もぅ」
「朝輝…朝輝っ」
互いの事を強く想いながら、二人は絶頂を迎えた。
溶けてしまいそうな熱い快感の中にいる二人は、窓をためらいがちに叩く冷たい雨に気付く事はなかった。